世の中には2つの選択肢があります。
1つは有料のプログラミングスクール。
そしてもう一つが無料のプログラミングスクール(おすすめはしない)。

もしあなたがこの2つの選択肢があった場合、どちらの環境でプログラミングを学習しますか?
少なくとも、数年前の私であれば速攻で
『無料でプログラミングを勉強したいっす!』
と手を挙げていたことでしょう。
もちろん無料でプログラミングを学ぶことは悪いことではありません。
私自身も、無料のプログラミングスクールを否定するつもりはありませんし、止むを得ない状況であれば、有料スクールよりも無料スクールを推奨することもあります。
しかし、どんな状況であれ
これを理解していない段階で無料を選ぶのはリスクしかありません。
ここでは、無料でプログラミングを教えて企業が利益を出せるこの業界のカラクリを理解していただくために記事を書いていきたいと思います。
もし選択肢の第一候補として無料のスクールを選んでいたのであれば、この内容をしっかり頭に入れてからもう一度どうするかを考えてみてください。
必ず今回の知識が人生を良い方向に導きますから。
なぜ無料ではなく有料のスクールを推奨しているのか?

まず最初に、無料でプログラミングを教われることを『得』だと思っているのであれば、まずはその考え方を一度捨てましょう。
結論から言ってしまえば、一番得をしているのはスクールに通う人ではなく
『無料スクールを運営する人たち』
になります。
一般的な有料プログラミングスクールの場合、まず最初に受講生からスクールの費用を払ってもらい、そこからプログラミングを教えていきます。
そして卒業と同時に

と選択肢を与えます。
ここで転職先を紹介してもらう場合、スクールと提携しているIT企業を紹介し、そこへ就職してもらいます。
対して無料のプログラミングスクールに関しては
『スクール受講料が無料』
となります。

受講日がないということは、スクール側はプログラミングスクールに通ってもらうだけでは一切利益を出すことができません。
そのため、スクールに通う条件として
『必ず紹介したIT企業に就職してもらう』
ことを条件とし、そのIT企業からの紹介料でスクールの運営を成り立たせているのです。

ちなみに無料スクールから就職できる環境は、そこまでレベルの高いところではありません。
その点は『プログラミングで就職(仕事)できるレベルの基準はどれくらいなのか?』の記事で分かりやすく解説しています。
この仕組みは最初は無料だが紹介料でとんでもないお金が抜かれる
上記で紹介した仕組みはちゃんとしたビジネスモデルなので、これに関しては否定することはありません。
むしろ、無料で学べて就職先まで見つけられるのは受講生にとってもありがたい限りです。
しかしほとんどの人が理解していないこと。それは
『無料スクールの紹介料は結構えげつない金額を抜かれている』
ということです。
これは転職業界で働いている人からすると当たり前の話ですが、実際に転職先を紹介した場合、多いところでは年収の3分の1以上の金額を紹介料として抜くことができます。
しかも一時的な紹介料ではなく、その人が働き続ける限り毎年の年収の3分の1を抜くことができるのです。
このような会社で5年~10年働き続けた場合、無料でプログラミングを教わったスクールであっても、結果的にとんでもない金額をその会社に支払っていることになるのです。
そのため、スクールの講師陣も働けるレベルに成長してももらわなければ利益を出すことができないため、手を抜いた指導ではなく本気でプログラミングを教えてくれるのです。

よく無料スクールの質は低いと言われていますが、それはおそらくこの業界の仕組みを理解していない人が伝えている情報か、もしくはスキルの高い人の基準で質が低いと話しているだけです。
無料のスクールに入ってくる生徒の意識はかなり低い
そして無料スクールに通うことを決めた場合、こちらも頭に入れておく必要があります。
プログラミングスクールに通うメリットとしては、同じ境遇で学ぶ仲間がいることにより、切磋琢磨できることもメリットとして挙げられます。

人は環境によって成長スピードが大きく変わるため、意識の低い人たちの集まりに飛び込めば、当然その人たちの影響を受けることになります。
つまり、自分が将来的にどうなりたいのかを最初の段階である程度決めていなければ、意識の低い人たちのマインドがインストールされてしまい、結果的にそこまで大きな成長を遂げることができないのです。
逆にお金を払ってプログラミングを学びに来ている人たちというのは、意識の高い人たちが多いです。
- 独立するためにプログラミングを学ぶ
- 転職して年収1000万円を超える
- プログラミングで新しいサービスを生み出す
このような強い意志を持っている人たちと関わりたいのであれば、無料スクールが第一の選択肢に来ることはないでしょう。
転職先でスキルが身につかない可能性が高い
そして無料スクールがどのような転職先を紹介してくれるのかは私も正直わかりませんが、そのほとんどがSESになります。
こちらは簡単に言ってしまえば、自分が作った成果物を報酬として受け取るのではなく、技術や労働力をお客様にお貸ししますという契約のことです。
こちらのSESに関しては賛否ありますが、私自身はそこまで否定的ではありません。

結局、数ヶ月無料スクールで勉強し、そこからいきなりSESとして現場に放り込まれるわけですから、そこまでスキルを求められているとは言えません。
ということは、雑務のような作業を永遠とこなす労働力として働き続ける可能性が高いのです。
もちろんSESの中にはスキルを伸ばせる環境もたくさんありますので、ハズレくじを引いてしまった場合には、早い段階で次のステップを考える必要があります。
無料スクールで想定できる最悪の未来(これを知ってれば回避できます)

結局のところ、自分が飛び込んだ環境での
『最悪の未来』
さえ想定できていれば、いくらでもその未来を回避する方法はあります。
人生全般で言えることですが、ほとんどの場合、慢心やおごりによって人生が悪い方向へと進んでいきます。

仮に無料プログラミングスクールに通った場合、最悪の未来としては
- 安く働き続ける
- スキルが全く身につかない環境で働く
- 意識の低い仲間としか交流できない
これらの要素が考えられます。
つまり、事前にこれらを回避する方法を理解した上でスクールに通うのであれば、そこまで無料スクールを批判する必要はないのです。
仕組みを理解し無料のスクールを上手に活用する方法

- プログラミングスクールの仕組み
- 想定されうる最悪の未来
この2つを頭に入れた上で、どのような対策を取れば良いのか?
その方法に関しては思っているよりもシンプルです。
無料スクールの体験を活用し、そのスクールの条件を聞き出す

上記したプログラミングスクールの仕組みを理解していれば、どのような内容を聞けば良いかをある程度想像できると思います。
重要なポイントとしては
- 学べるプログラミングのスキルの内容
- 卒業後に働く際の条件(何年縛りなど)
- 途中で辞めた際の条件(スクール代支払いなど)
これらを聞くようにしましょう。
そして、そこでかなり縛りの強い条件であれば別の環境を選ぶのも良いでしょう。
『無料ほど怖いものはない』
という言葉があるように、とにかく無料スクールはプログラミングを教わる際の条件を細かく設定しています。
そうしなければスクール側も利益を出すことができないため、当然と言えば当然なんですけどね。
これらの条件をしっかりと聞いた上で、数年後の自分のビジョンを明確にすることができれば、無料スクールを上手に活用するのは十分にありだと言えます。
どう考えても最短距離を走れるのは無料スクールではなく
『有料スクール』
ですからね。
仕組みを理解していないと安く働かされて人生が終わる

シンプルに無料スクールを批判することと、仕組みを理解した上で無料プログラミングスクールを批判することは違います。
これはプログラミングの業界だけで言えることではなく、全ての業界で言えることですが、結局仕組みを理解している人たちが良い思いをしていることは紛れもない事実です。
無料スクールを運営している人たちも、そこで大きな利益を出せるからスクールを運営しているわけです。

この両者の違いは、後々の人生に莫大な差を生み出すことになります。
安く働かせられる人生を抜け出し、高い報酬を得られるエンジニアになるためにも、このことは必ず頭に入れておきましょう。
まとめ

無料スクールに対する考え方を理解していただけましたか?
プログラミングというのは、一度スキルを身につけてしまえば働き先に困ることはまずありません。
しかし、最初の一番辛い時期を乗り越えるのが難しいため、そこを上手にスクールを活用してクリアしていく必要があります。
そしてもし利用するとしても、今回の仕組みを頭に入れた上で行動するようにしましょう。